9月7日:先発回数と出来高の計算を訂正しました。
こんにちはnicoです。
9月に入り、MLBアメリカメジャーリーグも終盤となって、ポストシーズン進出へ向けて望みの有るチームは各チーム補強体制を整えて来ています。
そんな中、ロサンゼルス・ドジャースのマエケンこと前田健太投手が、昨シーズンに続き今シーズンも、残り試合を先発からリリーフに配置転換されることが決まった様です。
基本給よりも出来高の金額が大きい契約となっている前田健太投手は、今シーズンの収入は幾らになるのでしょうか。
今年も怪我無く順調なシーズン
2016年にロサンゼルス・ドジャースに移籍して今年で4年目となる前田健太投手。
入団交渉時に右肘に異常が見つかり、きつい言い方をすると「買い叩かれた」契約を結んで移籍しました。
その契約内容はと言うと。
◆基本給は広島東洋カープ最終在籍時とほぼ同じ300万ドル(約3億円1800万円)。
◆出来高は2種類。
《先発登板回数》
先発回数が15、20、25、30、32回をクリアする毎に100万ドル(約1億600万円)。
《投球イニング数》
投球イニング数が90イニングを超え200イニングまで10イニング毎に25万ドル(約2,650万円)。
◆契約金100万ドル(約1億600万円)
※契約年数の8年に渡り、毎年1/8の12.5万ドル(約1325万円)づつ支払い。
上記内容の8年契約で、長期契約選手によく見られる、途中で選手側から契約解除を通告できる「オプトアウト」も含まれていません。
契約時、球団側有利に偏った契約内容と言うことで、メジャーリーグの選手会からも良くない意味で注目を浴びて、「奴隷契約」などと揶揄されました。
この様な、選手不利の契約内容になってしまったのは、やはり入団前の健康診断で「右肘に異常」が見つかってしまった事が大きな原因となった様です。
球団側としては、近い将来に肘の故障で戦線離脱する可能性の高い選手を、高額な年俸で獲得する様なリスクは犯せない訳で「基本給を抑えて、後は故障せずに活躍したら、出来高として給与を上乗せしましょう」と言う意図に取れます。
多分、8年契約の期間の内の2年くらいは、右肘故障による靭帯再建術いわゆる「トミージョン手術」で離脱する事も計算に入れていたのでは無いかと思われます。
一方の前田健太投手側は「異常が見つかった時点で契約が白紙になるよりは増しで、好みで無い球団にも行きたく無いし、後は活躍すれば問題無いだけ」との考えだったと思われます。
ただ、8年と言う長期契約でありながらオプトアウトも付かず、8年の間の物価上昇も考慮されない契約内容に関して、球団側と契約交渉を行った前田健太投手の代理人であるアダム・カッツ氏に対して契約当初から批判が殺到していました。
そんな前田健太投手ですが、当初からの周りの不安を吹き飛ばす様に、故障知らずで4シーズン目の今年もフルに戦力として働き、しっかりと順調なシーズンを送って来ました。
健康に過ごすも評価はそこそこ
そんな安定した投手戦力として活躍している前田健太投手ですが、移籍当初の先発試合では、対戦打者が前田健太投手の投球に目が慣れる、3巡目のバッターボックスに立つ6イニング目辺りから打たれるケースが多く、長いイニングを任せられないイメージが付いてしまい、5イニング辺りで交代となるケースが多くなっていました。
そういった事もあって、チームの絶対的エースであるクレイトン・カーショウ投手を筆頭に、リッチ・ヒル投手や柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手など先発投手の豊富なドジャース内では、先発投手としての序列は5人のローテーション投手の5番手か、又はローテーション外の6番手かと言う位置付けとなっています。
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クレイトン・カーショウ投手
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リッチ・ヒル投手
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柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手
どちらかと言うと、他の序列上位の投手達の状況(故障や調子の良し悪し等)で立場が流動的になっている感じに見受けられますね。
リリーフは監督の意向?球団の意向?
そこに来て今シーズンも昨シーズンと同じ様に、9月に入ったシーズン終盤になって、前田健太投手にリリーフへの配置転換が告げられた様です。
昨シーズンのこのリリーフへの起用が、前田健太投手の器用さもあって上手くハマり、チームにとって良い状況が生まれたので、今年も同じ状況にという事での配置転換かと思われます。
これはドジャースのデイブ・ロバーツ監督による戦略的な意向だけなのか、それとも出来高を増やし過ぎず給与支払い額を抑える為の球団の意向も含まれているのか良く分からない所ではありますね。
前田健太投手の契約内容に話を戻すと、出来高が発生する条件は、先発投手としての活躍を想定した内容となっており、9月から短いイニングを任されるリリーフ転向となると、先発回数はもとより、投球イニング数も十分に稼げなくなり、今後の出来高ゲットはあまり期待が出来なくなってしまいます。
今年の出来高と総収入はいくら?
そんな前田健太投手の今シーズンの収入は、出来高を含めて今現在で幾らになっているのでしょうか。
この記事を書いている9月7日現在で計算してみます。
【基本年俸】300万ドル(約3億1800万円)
【出来高】450万ドル(約4億7,700万円)
--- 先発回数:《26回》300万ドル
--- 投球回数:《142回》150万ドル
【契約金】12.5万ドル(約1325万円)
---《契約金100万ドルの1/8》
【合計】762.5万ドル(約8億825万円)
となっています。
因みに移籍1年目からの出来高と総収入を見てみると以下の通りとなります。
2016年:1,037.5万ドル(約10億9,975万円)
---《出来高》725万ドル
2017年:737.5万ドル(約7億8,175万円)
---《出来高》425万ドル
2018年:612.5万ドル(約6億4,925万円)
---《出来高》300万ドル
取り敢えず、今現在762.5万ドルなので2017年シーズンの出来高を25万ドル上回っている状態となっている為、収入面で4年連続右肩下がりの状態は脱しているようです。
2017年の年収は上回ったとして、2016年の出来高725万ドルに到達するは、あと175万ドルが必要です。
その為には、もう今シーズンの先発回数は増えないと思われますので、今現在142回となっている投球回数が200回まで到達したとしてもプラス150万ドルの出来高までとなるので、到達は不可能です。
日本時間9月3日のコロラドロッキーズ戦で今シーズン初めてのリリーフ登板をして、6回から4イニングを投げてセーブポイントも獲得しました。
その後日本時間9月7日の試合まで登板が有りませんでしたので、残り19試合で稼げる投球イニング数はせいぜい、19試合の約1/3の7試合で2イニングづつ投げて14イニングが加わるくらいでしょうか。
そうなるとトータルの投球回数は156イニングとなり、150イニング到達でプラス25万ドルとなります。
そこにあと4イニングをどうにか追加して160イニングに到達出来るかどうかは何とも言えませんが、難しいかも知れませんね。
ですので、今シーズンの最終的な出来高と総収入予想は
《出来高》475万ドル(約5億350万円)
【総収入】787.5万ドル(8億3,475万円)
と予想されます。
これがもし9月以降も先発投手として起用されているとしたら、残り試合であと4〜5回先発して投球回数が30イニングと計算すると、最終的に30〜31先発・投球回数167イニングとなり、
《出来高》600万ドル(約6億3,600万円)
【総収入】912.5万ドル(約9億6,725万円)
まで到達したと予想され、その差額は125万ドル(約1億4,000万円)にもなってしまったと予想されます。
う〜ん、この差はかなり大きいですね〜。
この辺り、やはり移籍当初の契約内容の詰めに甘さがあったと言えそうですね。
先発投手としての起用の確約とか、又はリリーフに回った時に先発回数に変わる登板回数による出来高契約とか、その辺りが契約内容に入っていれば今の状況を少しは改善出来たかも知れません。
来シーズン以降の残り4年の契約期間も、監督が変わらない限り、同じ様な起用法が続くのかもしれませんね。
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まとめ
ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手は、2018年シーズンに続き、2019年の今シーズンも9月以降はリリーフに配置転換された。
4年目となる今シーズンも故障なく先発ローテーションを守って来たが、先発投手としてデーブロバーツ監督の信頼を勝ち取るまでにはいかなかった様だ。
先発投手を想定した出来高契約内容の為、リリーフに配置転換した時点で収入の伸びが鈍ることに。
移籍当初の契約内容の詰めの甘さが悔やまれる。
1,000万ドル(約10億円)の大台に到達したのは、移籍初年度の2016年のみとなっています。
2018年のメジャーリーガー平均年俸は約4億5,000万円なので、それは超えてはいますが、リッチ球団であるドジャースのローテーションピッチャーとしては、やはり1,000万ドルには到達してもらいたいものです。
そこが叶わぬ今シーズンの残りの目標は、やはりポストシーズンに進出して勝ち上がり、ワールドシリーズ優勝でチャンピオンリング獲得ですかね。
先発投手を貫きたい気持ち的なワダカマリは有るでしょうが、気持ちを切り替えてシーズン残りの活躍を期待しています。
前田健太投手、頑張ってください。
という事で、2019年の今シーズンも9月からリリーフに配置転換されてしまった前田健太投手の出来高収入についてチェックしてみました。
本日も最後まで読んでいただき有難うございました。