こんにちはnicoです。
2018年の夏、第100回という大きな区切りの大会を迎えた「全国高等学校野球選手権大会」こと「夏の甲子園」。
100回という節目に加えて、吉田輝星投手を擁する金足農業高校が旋風を巻き起こし、最後は大阪桐蔭高校が史上初の2度目の春夏連覇を成し遂げ、大いに盛り上がりました。
そんな甲子園大会といえば、名物の一つがアルプススタンドから自校を応援するブラバンことブラスバンドの吹奏楽ですね。
なるへそニュースでは、これまでにも甲子園で定番となる、人気の応援歌をランキングにして紹介してきました。
今回はそんな定番と言われる応援歌とは別に、各校独自に取り入れた応援歌からベスト10を選び出しました。
それぞれの曲を紹介しながら実際の演奏を聴いてみたいと思います。
定番曲とはまた違った独自性
春・夏共に、甲子園大会の名物といえば、アルプススタンドから大音量で流れる吹奏楽の応援歌・応援曲ですね。
そんな応援歌には、定番と言われる数々の曲が有り、それらを聞くことで「あ〜高校野球だな〜、甲子園だな〜」って感覚が蘇って来ますね。
そんな中、それらの定番ソングとは別に、各校でそれぞれ独自性・オリジナリティのある応援曲を採用して演奏しているのも多く耳に入ってきました。
今回は「Number Web」が8月22日に掲載した記事「100回目の夏、56校すべてを観戦。ブラバン応援ベスト10を発表!」を元にランキング曲を紹介していきたいと思います。
10位〜7位
第10位
報徳学園高等学校(兵庫県)
《アゲアゲホイホイ(サンバ・デ・ジャネイロ)》
元々原曲の「サンバ・デ・ジャネイロ」は、甲子園の応援歌としては定番で、なるへそニュースで以前に発表した「甲子園の人気応援歌ベスト20」では第14位にランキングされていた曲です。
ラテンの明るい曲調で、応援する人達がノリノリになれる曲ですが、その曲に『ハイヤハイヤハイ!』『アゲアゲホイホイ!』『もっともっともっと!』など、大声を張り上げられる掛け声がプラスされた事で、応援するスタンドの盛り上がりは更に高まる事になりました。
そしてこの応援歌を考案した元祖となるのが、兵庫県の報徳学園となります。
第9位
藤蔭高等学校(大分県)
《年下の男の子》
1970年代のアイドルグループ「キャンディーズ」のヒット曲「年下の男の子」を、今大会に新曲として投入してきたのが、大分県の藤蔭高等学校です。
昔の歌謡曲で、現在でも甲子園で人気の応援歌と言えば、山本リンダの「狙い撃ち」や、ピンクレディの「サウスポー」などがあります。
そんな中で、ピンクレディが活躍していた当時、そのライバルグループとも言えたキャンディーズの曲は、あまりブラバンの応援歌として聞いたことは無かったです。
そんなキャンディーズの代表曲とも言える「年下の男の子」が「今年からの新曲」として採用された理由はと言いますと・・・
実は2年生でショートのレギュラーとして出場した朝倉康平選手の応援曲として採用されたそうです。
その採用理由が「あいつ(朝倉選手)は自分達よりも年下なので、この曲を彼の応援歌にしよう」との事で3年生達が選曲したとの事です。
因みに高校生の彼らが、自分たちが生まれる前に流行ったこの曲をどうやって選曲したのかと言うと、現在高校生を中心に人気の動画アプリ「TikTok」で見つけたそうです。
そんな曲を聴いてみましょう。
第8位
高岡商業高等学校(富山県)
《The Horse》
この曲はクリフノーブルズ&カンパニーが1968年にリリースしたヒット曲ですが、吹奏楽用の楽譜が販売されている事もあり、吹奏楽の曲としても有名です。
そんな「The Horse」を自校チームのチャンステーマとして使用している事で有名なのが、高岡商業高等学校です。
高岡商業の吹奏楽部自体が、吹奏楽コンクール全国大会常連の強豪校という事もあり、その演奏力は圧倒的です。
吹奏楽部員、野球部員を含めた応援席全員で「T・A・K・A・S・H・O! ゴーゴー レッツゴー レッツゴー 高商!」とアルファベットを含めた校名をコールしながら、マーチングバンドのように楽器やメガホンを左右に振りながら演奏する姿は圧巻です。
そんな高岡商業の「The Horse」を聴いてみましょう。
第7位
旭川大学高等学校(北海道)
《仁義なき戦い》
言わずと知れた、1970年代にヒットした日本の任侠映画シリーズ「仁義なき戦い」の主題曲です。
こんな渋い曲を高校野球の晴れの舞台である甲子園で、「魔曲」いわゆるチャンステーマとして取り入れた旭川大学高校のセンスは凄いですね。
しかも大規模とは言えない吹奏楽員達の演奏も、勢いがあって球場全体を支配してしまいそうな勢いを感じます。
そんな魔曲「仁義なき戦い」を聴いてみましょう。
6位〜4位
第6位
佐久長聖高等学校(長野県)
《ヴィクトリー》
かつての大阪の甲子園常連校であった「PL学園高等学校」
桑田真澄・清原和博の「KKコンビ」で一世を風靡した、あのPL学園のオリジナル応援曲の一つである「ヴィクトリー」
KKコンビが活躍していた当時は、甲子園大会で何度も演奏されていましたが、そのPL学園は現在野球部が休部となり、それらの曲は封印された状態となっていました。
そんな折り、佐久長聖高校野球部の藤原弘介監督と岸田健人コーチがPL学園出身だったことから、野球部から吹奏楽部に演奏を相談したそうです。
そんな流れから、佐久長聖高校吹奏楽部の顧問である小林通宏氏がPL学園に演奏許可をとったところ、快諾と共に楽譜一式が送られてきたという経緯があり、かつてのPL学園の名応援曲を佐久長聖が正式に継承することとなったそうです。
そんな伝説の応援曲「ヴィクトリー」を聴いてみましょう。
第5位
浦和学院高等学校(埼玉県)
《浦学サンバ》
浦和学院は、平成23年度から、生徒会・吹奏楽部・ソングリーダー部・野球部で編成された応援指導部「浦学ファイヤーレッズ」を結成して、より一体感を高めると共に、応援曲のほとんどがオリジナル曲となっているようです。
そして今回ランキングに選ばれた軽快なサンバ調の「浦学サンバ」も、浦和学院のオリジナル曲との事です。
そんな「浦学サンバ」には1〜5まで5種類の曲調があり、演奏を続けながら曲調の切り替わりの時に「Go Go Let’s Go 浦学!Go Go Let’s Go (選手名)!」と全員で掛け声をあげます。
また浦学サンバ3の演奏中には「浦学!浦学!浦学!かっとばせよー オー!」と言う掛け声もあげます。
そんな掛け声のおかげで応援席に一体感が生まれてカーニバル状態になる訳ですね。
では早速聴いてみましょう。
第4位
龍谷大学付属平安高等学校(京都府)
《怪しい曲》
この曲も龍谷大学平安のオリジナル曲で、「タン・タタタ・タン」というラヴェルの『ボレロ』のようなリズムが特徴的で、ファンの間では『怪しいボレロ』とも呼ばれているようです。
ホルンやチューバなどの中低音管楽器でリズムを刻む中「オー オー オー オー かっ飛ばせー (選手名)!」と掛け声を上げていく様はとても威圧感が高く、相手を圧倒する迫力があります。
これもいわゆる「魔曲」と言われる曲と言っていいでしょうね。
では聴いてみましょう。
3位〜1位
第3位
大阪桐蔭高等学校(大阪府)
《U.S.A》
この夏「ダサかっこいい」と話題となり、至る所で耳にしたDA PUMP(ダ・パンプ)のヒット曲「USA」
そんな最新のヒット曲をいち早く取り入れ、「カ~モンベイビー桐蔭 もっともっともっともっと打て!」と替え歌を組み入れて披露したのが、今大会で史上初の2度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭高校です。
大阪桐蔭高校と言えば、野球もそうですが吹奏楽部も吹奏楽コンクール全国大会常連の強豪校です。
最新のヒット曲を吹奏楽で演奏するとひと言で言っても、曲を分解して吹奏楽の各パート毎にに楽譜を起こしていったりと、中々簡単ではありません。
そんな難題もサッと間に合わせてしまうところも、さすが吹奏楽の強豪校と言ったところでしょうか。
因みに大阪桐蔭高校の吹奏楽部は、甲子園決勝当日の8月21日、甲子園球場から約7キロ離れた「あましんニューアルカイックホール」で17時30分からコンサートの予定が決まっており、16時18分の決勝戦の試合終了から急いで移動をして間に合わせたそうです。
そんな素早い移動を可能にしているのが、大阪桐蔭高校吹奏楽部専用の楽器運搬車両でしょう。
何か高校の部活動の範疇を超えた活動規模と言えますね。
まぁそんな話は置いておいて、大阪桐蔭高校の演奏を聴いてみましょう。
第2位
金足農業高等学校(秋田県)
《Gフレア》
言わずと知れた読売ジャイアンツのチャンステーマ「Gフレア」
吉田輝星投手を擁して決勝進出を果たし、金農旋風を巻き起こした金足農業高等学校。
そんな金足農業高校の応援席から度々流れてきたのがこの曲です。
静かに控えめに演奏する部分と、一気に大音量で演奏する部分のメリハリが気持ち良く、太鼓のリズムも手伝って周りを巻き込んで相手を圧倒する迫力があります。
金足農業高校は、この応援歌に背中を押されて一気に決勝まで勝ち進んで行ったと言っても過言ではないかも知れませんね。
ではそんな迫力ある金足農業高等学校の「Gフレア」を聴いてみましょう。
第1位
近江高等学校(滋賀県)
《Fireball》
今回のランキングで1位に輝いたのが、滋賀県の近江高校が演奏したPitbullの「Fireball」でした。
近江高校は、以前は他の高校と同じく「定番」と呼ばれる応援曲を演奏して応援していましたが、2018年の春の選抜大会から演奏曲のラインナップを一新して洋楽を多く取り入れました。
そんな中、自チームの攻撃中にランナーが得点圏の二塁まで進んだ時に演奏するチャンステーマとして今回の「Fireball」を採用しましたようです。
軽快なリズムの中、原曲のラップ部分を利用して、スタンドの野球部員とその他の生徒や一般客との掛け合いが球場を盛り上げます。
その掛け合いの内容が
「今日の主役はどこですか? 近江高校!」
「チャンスを掴むのどこですか? 近江高校!」
「勝負に勝つのはどこですか? 近江高校!」
「優勝するのはどこですか? 近江高校!」
スタンドの野球部員が「〜どこですか?」と問いかけ、その周りの観客が「近江高校!」と返す事で、スタンド全体のテンションが上がり盛り上がりを見せます。
この応援曲は他校にも好評の様で、以前近江高校と対戦した時にこの曲を聴いた、石川県の星稜高校も今回の大会でこの曲を取り入れていたようです。
そんな盛り上がる近江高校の「Fireball」を聴いてみましょう。
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まとめ
今や高校野球、更には甲子園大会には無くてはならない吹奏楽(ブラスバンド)の応援歌。
これまでは吹奏楽としての楽譜が出回っている、いわゆる定番曲が演奏されるシーンが多く見られましたが、ここ最近オリジナリティを重視する演奏が聴かれる様になってきたのはとても良いことだと思いますね。
定番曲は定番曲で「あ〜またこの曲を耳にする季節が来たんだな〜」なんて、風物詩的と言いますか、そんな安定感がありますが、各校がオリジナリティ溢れる曲を演奏し、それらの中から他校にも採用されて、いずれ未来の定番曲になって行く曲も出てくると面白いですね。
次の甲子園大会では、どんな曲が新しく取り入れられて演奏されるのでしょうか。
白熱する試合と共に、こちらも楽しみですね。
という事で、今回はこの夏、大いに盛り上がりを見せた「第100回全国高等学校野球選手権大会」で演奏された、オリジナリティ溢れる応援歌・応援曲についてのランキングを紹介しました。
本日も最後まで読んで頂き有難うございました。