3月2日追記しました。
こんにちはnicoです。
MLBアメリカ・メジャーリーグも「春季キャンプ」、いわゆる「スプリング・トレーニング」の真っ只中です。
2月24日からは、同じキャンプ地域の球団同士で組まれたリーグ、フロリダの「グレープフルーツ・リーグ」とアリゾナの「カクタス・リーグ」でそれぞれオープン戦が始まりました。
そんな中、今年メジャーリーガーへの昇格が期待されている、元千葉ロッテマリーンズの「中後悠平」投手についてチェックしてみたいと思います。
マイナー契約でメジャーキャンプ招待選手
出典:zimbio.com
昨年2016年シーズン、千葉ロッテマリーンズからの戦力外通告から、まさかのアメリカ・メジャーリーグ「アリゾナ・ダイヤモンドバックス」とのマイナー契約へと漕ぎ着けた中後悠平投手。
右も左も分からない状態で渡米し、6月にマイナーリーグ最下層の「ルーキーリーグ」からアメリカでの野球生活をスタート。
意外と言っては失礼ですが、コンスタントな成績を収めながら上層リーグへの昇格を繰り返し、8月にはマイナーリーグ最上位の「3A(トリプルエー)」まで上り詰め、そこで13試合連続無失点という記録を残して、8月で終了するマイナーリーグのシーズンを終えました。
その後、毎年9月からメジャーリーグのベンチ入り人数、いわゆる「ロースター枠」が25人から40人に拡大する「セプテンバー・コールアップ」と言うルールに伴って、一年目からのメジャー昇格が期待されましたが、渡米一年目の疲労という事も考慮されたのか、それは叶わずシーズン終了となりました。
そして2017年。
中後悠平投手は、再びダイヤモンドバックスとマイナー契約を結びながらも、開幕メジャー昇格のチャンスも有る「ノン・ロースター・インバイティ」、いわゆる「メジャーキャンプ招待選手」として、この春の「スプリング・トレーニング」にメジャーリーガーと共に参加する事となりました。
40人と25人のの狭き門
メジャーリーグでは、一つのチーム内でメジャー契約を結べる選手の数は、投手と野手を合わせて40人となっています。
その中で実際にメジャーの試合でベンチに入れる選手、いわゆる「アクティブ・ロースター」枠は25人となっています。
メジャー契約を結びながらも、25人の「アクティブ・ロースター」に入れなかった残りの15人の選手達は、シーズン中、チーム傘下のマイナーリーグでプレーをしながら、選手入れ替えによるベンチ入りの声が掛かるのを待つことになります。
ただし、選手の入れ替えにしても、メジャーの試合に出るためには、先ずは40人のメジャー契約選手の一人となっていなければ出場出来ません。
現在、マイナー契約となっている中後悠平投手がメジャーの試合に出るためには、首脳陣に自分を売り込んで、先ずは40名のメジャー契約選手の誰かと入れ替わりで(蹴落として)メジャー契約を結び、更に25人のベンチ入り選手に選ばれなければなりません。
出典: azcentral.com
2017年「アリゾナ・ダイヤモンドバックス」のスプリング・トレーニングには、40名のメジャー契約選手と、中後悠平投手も含めて22名の招待選手が参加しています。
総勢62名の中から40名のメジャー契約枠に勝ち残り、更に25人のベンチ入り枠に勝ち残らなければならないと考えると、なかなか大変な道程だと感じますね。
頑張ってもらいたいものです。
アメリカでも注目選手として紹介される
そんな厳しい競争環境の中にいる中後悠平投手ですが、今シーズンのスプリング・トレーニングが始まる前の2月初旬に、全米のスポーツ中継番組「CBSスポーツ」のウェブサイトで掲載された、「スプリング・トレーニングで最も興味深いキャンプ招待選手」と言う記事の中で、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの注目選手として紹介されました。
The most interesting non-roster invitee to spring training for all 30 MLB teams
記事の中では、やはり昨シーズンの3Aでの13試合無失点登板を記録した事や、独特な左のサイドハンドから放たれる強烈なスライダーなどにより「左バッターキラー」としての役割が期待されると書かれています。
ここまで注目され出した理由としては、やはり、かつて千葉ロッテマリーンズ時代に苦しんだピッチング・コントロールが安定してきた事が大きいと思います。
その要因として、昨シーズン1年間を過ごした、アメリカでのマイナー生活の中で学んだ「野球を楽しもう」と言う思考よって精神的に安定した事が大きいと中後悠平投手は語っています。
「ポジティブシンキング」による精神的な安定は、体の動きにも大きな影響を与えるものなんですね。
オープン戦順調な滑り出し?
スプリング・トレーニングも進み、2月24日からは、他球団とのオープン戦も順次始まりました。
中後悠平投手の所属する「アリゾナ・ダイヤモンドバックス」は2月25日の「対コロラド・ロッキーズ戦」がオープン戦初日となり、中後悠平投手は、その初戦の8回表に、7番手投手として登板し1イニングを投げました。
出典:mlb.com
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結果としては打者3人に対して、最初の左バッターを2ボール0ストライクから「センターライナー」、次の右バッター(スイッチヒッター)を2ボール1ストライクから「ショートライナー」、三人目の左バッターを初球「ファーストゴロ」と見事に「三者凡退」に打ち取り、順調な滑り出しを見せる事ができました。
トータルとして、打者3人に対して8球を投げ、ボールが4球、ストライクが4球と言う投球内容でした。
気になる点としては、一人目と二人目のバッターに対し、ボールが先行したあたり、まだコントロールの調整が必要と感じられましたね。
まあこの辺りは、相対的に湿度の高い日本から、乾燥したアリゾナに移動して、まだひと月程度なので、現地の乾燥した空気の中でのボールの感触に慣れて行けば、十分にアジャスト可能ではないでしょうかね。
3月2日追記:
日本時間3月2日の早朝、「シカゴ・ホワイトソックス戦」で、中後悠平投手の2度目の登板がありました。
出典:mlb.com
出典:mlb.com
6回裏の1イニングを投げましたが、二者連続ストレートのフォアボールの後、ファーストゴロで1アウト。
その後、センター前ヒットを打たれ1点取られてしまい、二人目の走者がホームタッチアウトで2アウト。
その次の打者を三振で3アウトチェンジ。
まだ、コントロールが上手く定まっていないようです。
2-1でリードしていた時点で登板し、1点失って同点にされてしまい、最終的に後のピッチャーが点を取られて敗戦となった事で、中後悠平投手には「BS = セーブ失敗」が付いてしまいました。
気持ちを切り替えて、次の登板に期待ですね。
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まとめ
「中後悠平」投手は昨シーズン、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナー契約し、メジャー昇格目前まで飛躍した。
今シーズンもダイヤモンドバックスとマイナー契約を交わし、メジャーキャンプ招待選手として、スプリング・トレーニングに参加している。
昨シーズンのマイナーリーグでの活躍と変則的な投球フォームなどから、アメリカのスポーツ中継番組のインターネットサイトでも「注目選手」として紹介されている。
2月25日のオープン戦初戦に、7番手投手として8回表の1イニングを投げ、見事三者凡退で抑えた。
この時期は、多くの投手をテスト登板させる為、中後悠平投手もオープン戦4戦終了時点でまだ1イニングしか登板機会が有りません。
これから徐々に「マイナー行き」を通告される選手も出てくると思いますが、中後投手は強烈なスライダーを武器に、首脳陣からも「左バッターキラー」としての期待が高いと言われていますし、今後のオープン戦で余程メタメタに自滅しない限りは、生き残っていけるのではないかと思います。
中後悠平投手には、ぜひメジャー契約を勝ち取ってもらい、野茂英雄投手から22年間続く「日本人選手メジャーデビュー連続記録」を「23年」に伸ばしてもらいたいものです。
今後の活躍に要注目ですね。
と言う事で、今回は2017年メジャーオープン戦に初登板した「中後悠平」投手についてチェックしてみました。
本日も最後まで読んでいただき有難うございました。